梶栗正義「ベルトコンベアのように流されるまま信仰を持ったわけではありません」――編集部員が選ぶ“2025年の名言”

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2025年に「文藝春秋PLUS」に掲載された記事の中から、編集部員がとくに心を掴まれた「イチ押しの言葉」を紹介します。今回は政治をめぐる「言葉」を集めました。

梶栗正義「ベルトコンベアのように流されるまま信仰を持ったわけではありません」

(2025年4月号、「統一教会と自民党 すべてを知る男の告白」

 

安倍晋三元首相殺害事件のキーマンで、旧統一教会関連団体のトップである梶栗氏がインタビューで発した一言。教団幹部の息子として生まれた二世信者で、安倍氏のビデオメッセージ出演にも関わっていた梶栗氏。インタビューでは、自身の宗教原体験も告白。教団エリートとして将来を嘱望され、1983年、中学から韓国に留学。当時の韓国は全斗煥軍事政権下で、「娯楽も何もかも全部、政府の諸活動の宣伝の場になっていた」。日本はバブル景気の直前でしたが、平和は韓国では当たり前のものではなく、「『北朝鮮が攻め込んでくる』という話にリアリティがありました」と話しました。(編集部・渡邉)

二階俊博「“一時の風”として、消費税減税ほど心地よいものはありません」

(2025年8月号、「消費減税は心地よい一時の風」

 

史上最長の幹事長(取材当時86歳)が政界を引退して受けたロングインタビュー。当時は石破政権だったが野党が消費税減税をさかんに訴えていた。たしかに竹下登首相が消費税導入を決めるまでの苦労を知る現役国会議員はほとんどいない。竹下氏本人から、「なぜ消費税が必要なのか」孫のDAIGOに語ってきかせたエピソードを聞いたことを思い出した。(編集部・松崎)

中垣内祐一「まったく小泉は……。あっ、呼び捨てにしちゃった(笑)」

(2025年10月号、「小泉農相は現場を知らないにもほどがある」

 

2025年6月、当時農林水産大臣だった小泉進次郎氏が「レンタルが当たり前のいま、高額なコンバインはリースしたらいい」と発言しました。これについて小雨の降る取材先で、中垣内氏がつい漏らしたひと言です。「農家が苦しいからってレンタルは無理。だって、刈り取りの時期はみんな同じなんですよ。全員が一気に借りられますか?」。元バレーボール日本代表で、現在は福井で実家の農業を継ぐ中垣内氏いわく、「コメ作りはバレーボールよりずっときつい」とも。そんな実情を知らない発言は、進次郎構文のひとつだったのでしょうか。これで打ち止めになるといいですね。(編集部・倉林)

高市俊介「うちは、みんな政治家が嫌いでな。『政治家殺しても罪にならん』って言うくらい、誰も喜んでる者はおらん」

(2025年12月号、甚野博則&本誌取材班「家庭的な父と働く母の愛娘」

 

世間は女性初の首相の誕生に沸いているのに、早苗氏の叔父俊介氏の冷ややかな反応。二世・三世議員の首相が続きましたが、甚野さんのこのレポートを読んで、高市首相は本当に普通の家で育ったことがよくわかりました。(編集長・鈴木)

source : 文藝春秋 電子版オリジナル

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