水戸ホーリーホックがJ2に参入してから26年。
この間、クラブに関わってきた人間であれば、一度は「J1」という言葉を口にしたことがあるだろう。しかしそれは、目の前にある明確な目標というよりも、「いつか叶えばいい」と願う“夢”として語られる時間のほうが、圧倒的に長かったのではないかと思う。長くクラブを応援してくださっている方々が、「生きているうちに昇格が見られれば」と口にする場面も、決して少なくなかった。経営難や、シーズン途中での監督交代、厳しい残留争い、そしてシーズン終盤まで続く張り詰めた戦い。水戸ホーリーホックは、そうした苦しいシーズンを幾度となく乗り越えながら、26年間J2で戦い続けてきた。

2024シーズンの途中に、前任の監督からバトンを受け取り、私が監督に就任した際は、まず向き合ったのは戦術ではなかった。チームの「意識」だった。「成長している」「悪くはない」。そうした言葉が、無意識のうちに自分たちを守る言い訳になっていないか。プロである以上、評価は結果でしか測られない。勝つか、負けるか。その厳しさから目を背けず、「勝ちきる」集団へと変わる必要があった。
シーズンの頭から監督として迎えた2025シーズン。選手が大きく入れ替わり、序盤は思うように結果が出なかった。それでも、内容が決定的に悪かったわけではない。ほんの少しのきっかけでチームは変わる――そう信じて試行錯誤を続けた。第9節で得た確かな手応えは、その後のシーズンを大きく動かす転換点になったと感じている。

今季のチームを振り返ると、「派手さ」よりも「安定」という言葉が浮かぶ。相手によって戦い方を変えることはせず、常にチャレンジャーとしてピッチに立ち続けた。上位か下位かではない。「その試合に勝ったチームが強い」。そのシンプルなマインドを、選手たちは体現してくれた。
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