米朝決裂 隠された第2ウラン濃縮工場

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米大統領選が本格化するなかでトランプと金正恩はどう動くのか?

金正恩氏とドナルド・トランプ氏 ©時事通信

 ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わってから間もない3月8日、東京・有楽町にある「ザ・ペニンシュラ東京」20階のスイートルームにその男は現れた。トレードマークとも言えるブラックシャツにノーネクタイ、グレーの髪はオールバックで、きれいな長方形状の額のすぐ下には大きな銀色の瞳がのぞく。

「東京に来る時はいつもここに滞在するんだ。お会いできて光栄だよ」

 男の名前はスティーブ・バノン。民主党のヒラリー・クリントン候補が圧倒的に優位とされた2016年の米大統領選挙で、政治の素人だったドナルド・トランプを最高権力者の座に就かせた張本人だ。

 17年1月のトランプ政権発足と同時に大統領首席戦略官としてホワイトハウス入りしたが、8月には北朝鮮情勢を巡り「軍事的解決はない」との見解を米メディアに表明、トランプの不興を買い、その職を解かれた。北朝鮮がミサイル発射を繰り返し、日本国内にJアラートが鳴り響いた当時、トランプは「北朝鮮は世界がかつて見たことのない炎と怒りに見舞われるだろう」と平壌を激しく挑発、米軍内部では対北朝鮮攻撃計画の見直しが進められていた。

 経済ナショナリストで排外主義者として知られるバノン。中国への不信と嫌悪の言葉を吐き出した後、北朝鮮情勢について訊ねると、批判の矛先は歴代米大統領へと向かった。「オバマもブッシュもクリントンも、この問題を単に避けてきただけだ。そして(結果的に)北朝鮮が核弾頭を保有することを容認し、増産すらできるようにしてしまった」。話していくにつれ、勢いと激しさが増し、まくし立てる口調になる。

「トランプになってようやく北朝鮮にコミット(関与)するようになった。トランプは大統領になって毎日、北朝鮮のことを考え、この問題に取り組んでいる。それが平和を構築する術というものだ」

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source : 文藝春秋 2019年5月号

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