この手があったか。
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)を見たあとで、私は思わず呟いた。
ロッキーの宿敵に実は息子があり、しかもボクサーを目指している。名前はアドニス。アドニスは、ロッキーの弟子となって世界ライトヘビー級王者に挑む。
解説するまでもないだろうが、ロッキーとはシルヴェスター・スタローンの十八番ロッキー・バルボアのことだ。その宿敵は、強打の王者アポロ・クリードだった。アドニスは、アポロの愛人が産んだ子供で、アポロの妻に育てられた。そんなふたりの因縁物語。ロッキーは老人だ。アドニスは美しい黒人の若者だ。
脚本・監督のライアン・クーグラーは、このアイディアがひらめいたとき、膝を打ったのではないか。ふたりの相性は、それほどぴったりだ。たそがれた「イタリアの種馬」と昇竜を思わせる「黒い悍馬」の組み合わせ。修練と幸運と血統の力を集めて世界に立ち向かっていく彼らの姿は映画にうってつけではないか。「最高のスピンオフ」になりうる設定だ。
マイケル・B・ジョーダンは、この映画で一気にスターダムに駆けのぼった。1987年、カリフォルニア州サンタアナの生まれ。芸能活動は子供のころから始めているが、名前が知られたのは『フルートベール駅で』(2013)に主演したときだろう。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年5月号

