祖母、母と三代続けて、京都の祇園に生まれ、今もお茶屋「京屋」の女将である、てる子さん。花柳界に生き、幅広い交友を育んだ彼女はまさに祇園の生き字引だ。

てる子さんが語る、祇園という文化
私は1937年に祇園町で生まれました。女将業に加えて、73年からは「てる子」という紹介制のバーも営んでいます。
舞妓になったのは54年のことです。その頃、撮影隊に声を掛けられてマーロン・ブランドさん主演の映画『サヨナラ』に舞妓役として出演しました。61年には完成披露会に出席するために渡米。オードリー・ヘプバーンさんにもお会いしたのです。ものすごくお綺麗でね。でも、それ以上に美しかったのは来日中の英国のエリザベス女王陛下でした。一般人にはない気品がおありでした。女王と直接、言葉を交わすことは許されませんでしたが、夫君のフィリップ殿下とはお話しできました。披露された日本舞踊について「今の舞は何ですか?」とお尋ねになったので「京都のフォーシーズンズ(四季)がテーマです」とお答えしました。すると、女王陛下が殿下と目を合わされてニコッと笑わはった。けど、すぐにロイヤルスマイルに戻られて。一瞬の出来事が印象的でした。皇室では三笠宮家の寬仁親王殿下とお食事やゴルフをよくご一緒いたしました。私が「ナイスショット」と申し上げると、「ファインショット、グッドショットと言いなさい」と教えてくださったり、隠れて懸命に練習されていたり、ユーモアに溢れるお方でしたね。


花見小路の軒先にかかる看板

大阪にて寛仁親王殿下と

てる子さんの還暦祝いに寛仁親王殿下から贈られた飾り花

マーロン・ブランドさんを膝枕するてる子さん
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年5月号

