かつて江戸の町のヒーローとして人々の喝采を浴び、歌舞伎や講談の演目にもたびたび描かれてきた町火消。「粋でいなせ」と称されたその生き方と技は、令和の時代にどのように受け継がれているのか。江戸消防記念会会長で、第四区総代の髙柳博一氏が語る。
我々「江戸消防記念会」の歴史は、約300年前にうまれた江戸町火消(まちびけし)に遡ります。当時、江戸の町では「火事と喧嘩は江戸の華」なんて有名な言葉が生まれるほど火事が多かった。記録によれば、264年の江戸の歴史の中で、町の大半が燃え尽きるような大火が約90件、中小規模を合わせると約2000件の火災が発生したそうです。約3年に1回は大火に見舞われていたわけですから、庶民の暮らしはもちろん、幕府の財政にも相当こたえたことでしょう。

幕府の財政立て直しに取り組んでいた八代将軍・徳川吉宗公は、時の名奉行・大岡越前守忠相(ただすけ)に対策を講じるよう命じたそうです。そうして生まれたのが、「いろは四八組(創設当初は四七組)」と、隅田川の東側の本所深川一六組、計64組からなる町火消。我々のルーツというわけです。
その前から江戸には大名火消、定(じょう)火消がいたけれど、こちらは江戸城や武家屋敷、神社仏閣を守るのが役割ですから、庶民の家までは十分に手がまわらない。町火消は、いわば「おまえたちの町はおまえたちで守れよ」という了見で発足した、自衛・自治の組織でした。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年4月号

