3万人が海外から押し寄せるゴルフ場

第15回 小水隆史・ゴルフ5カントリー美唄コース支配人

小水 隆史 ゴルフ5カントリー美唄コース支配人
エンタメ スポーツ

美唄を変えた奇跡のインバウンド。出発点はフランス発祥の「スノーゴルフ」だった

 札幌から特急で35分。美唄(びばい)にある私たちのゴルフ場は上級者も唸るトーナメントコースです。プロの大会も開催されます。しかし、ずっと大きな課題を抱えていました。冬の雪です。

 美唄は一晩で50センチも積もる豪雪地帯です。冬にはゴルフ場はクローズし、売上は数カ月間ゼロ。電気代などの固定費はかかるから収益はマイナスです。さらに深刻なのが人材確保。冬の間はスタッフを本州のゴルフ場などへ派遣しなければならず、家族と離れるのが嫌で離職してしまうケースが後を絶ちませんでした。「何とか地元スタッフを通年雇用したい」。それが挑戦の原点でした。

冬は一面の銀世界と化すゴルフ5カントリー美唄コースの小水隆史支配人

 そこで2016年から始めたのが、フランス発祥のスポーツ「スノーゴルフ」です。ゴルフダイジェスト・オンラインとの共同事業としてスタートしました。

 ボールが沈まないよう圧雪車で雪を固めてフェアウェイを作り、人工芝でグリーンを作ります。プレーヤーはカラーボールを打っていくのですが、これが雪遊び感覚で新鮮。私はプロゴルファー志望だった人間ですが、銀世界でプレーするのはロマンティックな趣きがあります。

「雪の上では普段通りのプレーが難しい」と話すGDO コウタロウさんのショット 撮影/橋本裕介(ゴルフダイジェスト・オンライン)

 翌年からは他にもスノーモービルやスノーラフティングなどのアクティビティが楽しめる設備を整え、「美唄スノーランド」として冬の事業を本格的にスタートさせました。といっても、そんなに簡単ではありませんでした。まず初期投資が結構かかります。例えば圧雪車1台で6000万円もします。そこで観光庁や美唄市の協力を仰いで補助金を活用し、グループのスキー場から中古の圧雪車を譲ってもらうなどして何とか始めました。

 あれから10年。今では来場者3万人超のビジネスに育ちました。9割がインバウンドのお客様。タイやマレーシアなど雪が降らない国々からです。2024年シーズンに2万人を突破し、今季は3万5000人を見込んでいます。収益構造は大きく改善し、雇用の課題も解決しました。冬に稼いだお金で、夏のゴルフ事業を充実させることもできます。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2026年5月号

genre : エンタメ スポーツ