壮絶ダイエットも楽しかった

第10回 タケ小山・プロゴルファー

タケ 小山 プロゴルファー
エンタメ スポーツ

18キロの減量に成功。人気プロゴルファーが目指すシニアゴルフのかたちとは

 きっかけはアニサキスでした。一昨年9月、鮨を食べた後、猛烈な腹痛に見舞われた。それ自体は内視鏡検査で除去できたんですが、過程の検査で「血糖値が高く糖尿病の可能性がある」と聞かされた。私は恐怖を覚えました。「お袋と同じになっちゃうのかな」と。

 実はこの前年に私は母を亡くしました。母は糖尿病を患い、晩年は膝から下を切断するほどに重篤化しました。あの苦しみを目の当たりにしたからこそ、よし、痩せよう! と決意できたのです。

タケ小山(小山武明)さん ©文藝春秋

 検査当時、私の体重は93キロで、糖尿病の診断基準となるヘモグロビン(Hb)A1cの値は、正常値が5.6%未満のところ6.3%。限りなく糖尿病に近い数値でした。まず炭水化物の米、小麦、そば、うどん、パンを止め、主にタンパク質と野菜のみでやり過ごしました。まあ、ビールだけは飲んでましたけど。空腹でつらいときもあったけど、数字が減っていくのは楽しくもありました。プロゴルファーの性(さが)かもしれませんね。

 結果、2カ月後の12月3日には体重は8キロ減。その後もダイエットは続けて、現在は18キロ減の75キロ、HbA1cも5.5%と正常値で落ち着いています。医者からは「この下がり方なら投薬などの必要はないですね」と言われてホッとしましたが、急激に痩せて人相が変わったせいで、『サンデーモーニング』の視聴者からは「あのゴルフ解説者は病気じゃないのか」という問い合わせが何件かあったそうです(笑)。

 ゴルフにも影響が出ました。まず、飛距離が落ちました。300ヤード近く飛んでいたドライバーが240ヤードしか飛ばなくなった。やはり遠くに飛ばすには体重も必要なんですね。痩せると脇に隙間ができてスイングの軌道もブレてしまう。名プレーヤーに小太りな人が多いのは、そういう理由もあるんでしょうね。ジャック・ニクラウス然り、クレイグ・スタドラー然り。

タケ小山さん ©文藝春秋

 でも、やっぱり健康で長くプレーするほうが大事だと今は思います。ゴルフは年とともに失った飛距離を経験や技術でカバーすることができるスポーツです。シニアゴルファーの目標である「エイジシュート」が象徴的ですよね。自分の年齢以下のスコアで回る。60歳が60以下で回るのは難しくても、85歳なら可能性は高くなる。年を重ねてこそ味わえる楽しみがある。ゴルフが“生涯スポーツ”と言われる所以だと思うんです。

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source : 文藝春秋 2025年12月号

genre : エンタメ スポーツ