戦後生まれのメーカーの中で最も成功を収めた創業者の一人、元本田技研工業社長の本田宗一郎(ほんだそういちろう)(1906―1991)。破天荒な自由人でありながら、なぜ一代で世界的な自動車メーカーを築き上げることができたのか。宗一郎から薫陶を受けた最後の世代である、ホンダ第4代社長の川本信彦(かわもとのぶひこ)氏が振り返る。
「バカヤローッ」
「どこをどうしたらいいか、明日までによく考えて持って来いッ」
私が入社したのは昭和38年。技術研究所では、毎朝、オヤジさんの怒鳴り声が響き渡っていました。
あの頃の研究所は、いわば「オヤジさんの巣」。毎朝10時にやって来ると「わっ来た」という感じ。本社に戻る11時まで緊張が走りました。
オヤジさんは、まず試作品が並んだ棚に向かいます。そして出来上がったばかりの部品をいろんな角度から眺め、手で撫でまわして確認する。モノを見る目がさすがに確かですから、出来が悪いと「オイッ、設計呼んで来い」。オヤジさんに呼ばれると、まるで幼稚園児のように手と足がいっしょに出てしまうほど緊張しました。
当時、オヤジさんは50代後半。オーナーであり、僕らから見れば年配であり、大変な経験者です。
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source : 文藝春秋 2013年1月号

