“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは、八幡市長の川田翔子さんと芦屋市長の髙島崚輔さんです。
■かわたしょうこ 京都府八幡市長。1990年、奈良県出身。京都大学経済学部卒業。京都市役所職員、参議院議員・山東昭子氏の私設秘書を経て、2023年11月より現職
■たかしまりょうすけ 兵庫県芦屋市長。1997年、大阪府出身。ハーバード大学卒業。2023年5月より現職。2025年、米TIME誌「次世代の100人」に選ばれる
川田 有働さん、髙島さんは放っておくとずっとしゃべり続けるので気をつけたほうがいいです。
髙島 よう言いますね〜。ビックリするわ。
川田 お互い様やけどね(笑)。

有働 もう牽制が始まっている! 兵庫県芦屋市長の髙島さんは史上最年少の26歳、京都府八幡市長の川田さんは女性史上最年少の33歳で市長に就任され、ともに約3年、任期の半分強が過ぎました。今回、市区町村の首長の平均年齢を調べてみたら、60代以上が中心だとか。実際に市長になってみてどうですか?
川田 想像していた以上に楽しいというか、非常にやりがいがあると日々実感しています。
髙島 同感です。めちゃくちゃ面白い仕事です。市長って社会を変えられる一番良い仕事だと思っているんです。現場に近いので良いことも悪いこともすぐフィードバックがくるし、社会が良くなる様子を目の前で見られる点が魅力ですね。
川田 そうですね。首長は役所組織のリーダーであり、市民さんに対しては政治家でもあるという二面性があります。市民さんから日々ご意見をいただきながら組織を動かし、変えていくところまでできる仕事は他にないのではないかと思います。

有働 2人とも目がキラキラしていて嬉しい。首長のニュースって、セクハラやパワハラ、不倫といったネガティブな話になりがちですし。若さゆえの苦労はないですか?
髙島 よく聞かれますが、市民から選ばれているというリスペクトを役所内や議会との関係で感じます。これはポジティブな驚きでした。
川田 私も若いうえに女性ということで意地悪されないかとよく心配していただくのですが、皆さん立場を踏まえて接してくださるので、苦労はありません。それと、多少嫌なことがあっても忘れるくらいじゃないとやっていけない面もあります。
髙島 本当に。鈍感力が大事だと思いますよね。
有働 今の若者って退職代行を使うくらい敏感な印象がありますが。
川田 この仕事を選ぶ時点である程度ぶっ飛んでいるというか、リスクに踏み込んでいく面がないとできないので、鈍感というより臆病さがあまりないのかもしれません。
有働 とはいえ、アイドル並みに注目されて大変じゃない?
髙島 我々の仕事で一番辛いのは無関心なので、関心を持ってもらうのは何事においてもプラスですね。
川田 私は八幡市出身ではないので、最初は「誰やねん」というシビアな目線が有権者の皆さんや市職員さんに一定程度あったと感じます。でも若さイコール体力がある。従来の市長は行かなかった場にもこまめに足を運んで直接お話を聞き、庁内に持ち帰って議論するという“市長が動く姿”を見せ続けることで応援していただけるようになりました。今では小学生も「あっ、川田翔子だ!」と寄ってきてくれます。
髙島 なぜか皆、フルネーム呼びなんですよね(笑)。選挙で連呼するからか。いろんなイベントにいるし、会えるから話しやすいと思ってもらうことが大事です。他には市民との対話集会を年間16回やっていて、40回目を終えたところです。
「“根回し”します(笑)」
有働 議会対策はどうですか。若い人が慣習を打破しようとしても、抵抗されることはないですか?
川田 私は裏でコソコソ“根回し”します(笑)。議員さんの部屋を回り「ご相談いいですか。実は今度こういうことをしようと思っているのですが」と先に情報をお伝えします。市民の代表という議員の誇りと存在意義からして、誰かに聞かれた時に説明できないと彼らの立場がないじゃないですか。彼らへの、もしくは民主主義へのリスペクトとしてそこは大事にしています。逆に認識のずれさえなくしておけば、議員さんたちも無駄に反対する理由がなくなりますからね。
髙島 そのあたりは市によって文化が違うようで、うちはそれをあまりしないですね。私も議員の方も市民に選ばれた立場。議員の方へのリスペクトは当然ですが、市民にご理解いただけるような発信も大事だと考えています。ただし一度発信しただけでは伝わっていないことが多い。同じ内容を何度でも発信して市民に届けきることを意識しています。

有働 自分より年上の議員や市民とコミュニケーションを取るのに、工夫していることはありますか。
川田 謙虚で礼儀正しい態度を崩さないという点はかなり気をつけています。事前に相談を持っていくのも一つの敬意の表し方。相手を立てていますよ、と一貫して示し続けるようにしています。そうでないと人は動かないということを、国会議員秘書の経験から学びました。
億単位で増える人件費
髙島 おっしゃるとおりですね。あとは年齢に関係なく、相手に興味を持つ。たくさん質問することを、特に1年目は心がけていました。
初回登録は初月300円ですべての記事が読み放題
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年7月号

