“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは、作詞家の秋元康さんです。
■連載「有働由美子のマイフェアパーソン」
第79回 塩田武士(作家)
第80回 タサン志麻(家政婦)
第81回 上戸彩(俳優)
第82回 清武英利(ノンフィクション作家)
第83回 水野良樹(ソングライター)
第84回 清水ミチコ(タレント)
第85回 鈴木俊貴(動物言語学者)
第86回 又吉直樹(芸人・作家)
第87回 今回はこちら
有働 NHK『あさイチ』に一度ご出演いただきましたね。
秋元 あの時はまだお互いよそ行きの顔でした。
有働 それで言うと、唐突ですが一つ文句がございます。『あさイチ』に来てくださった時、ちょうどAKBの大人メンバーを募集するというタイミングだったので、秋元さんを面接官として即興でオーディションをやろうという話からアドリブで「特技は?」と質問された。私、直近で披露した特技は……と考えて咄嗟に「30分で一升瓶一本飲みます!」と生放送で言ってしまって。いまだにその発言はいじられます。
秋元 最近でも同じように飲めますか?
有働 今は30分では無理ですけど、時間をかけたらいける!
秋元 有働さんは何升でもいけるでしょう(笑)。
連載はサグラダ・ファミリア
有働 秋元さんといえば、2023年からの本誌連載「秋元康 ロングインタビュー」を楽しみに拝読していました。ただ昨年6月号の第11回を最後に掲載されないので、休載のまま終わったのかなぁと思っていたら終わっていないのですね。
秋元 サグラダ・ファミリアみたいなもので、なかなか完成しない。
有働 そんな崇高な(笑)。
秋元 実は中途半端に休載するのも、すべて計算の上に成り立っていることなのですよ。
有働 さすがプロデューサーだけある……って絶対嘘ですよね?
秋元 嘘です(笑)。作詞家というのは短距離走者なんです。小説家のような長距離走者と違うから僕はすぐに違うことをやりたくなってくるんです。
有働 引き受けたのだからやらなきゃダメです(笑)。ロングインタビューというので質問者は編集者かと思いこんで読み始めたのですが、実はインタビュアーも秋元さん自身という一人二役でした。
秋元 そう。小説を書く時間はないし、インタビューや対談だと相手が僕にどこまで突っ込んでいいか遠慮するだろうし、ゲラのチェックで結局時間を取られますよね。だから、自分が自分にインタビューして自分の都合のいいように書こうと。
有働 発想がすごいですよね。
秋元 世間がこう思っているだろうなということに対して、自分で問うて弁解できるじゃないですか。これはいい方法だと思いました。
有働 そこで「僕って、世間的には、AKBなんちゃらとか、坂道なんちゃらとか、作詞印税とか、プロデュース印税で、儲かった人くらいのイメージしかないから」「ルックスが金満家だからなあ」と書いておられましたが、実際、世間にそう認識されていると思っていますか?
秋元 思いますよ。1980年代に「おニャン子クラブ」のほぼ全楽曲の作詞をしていた頃、東京・上野毛のマンションに住んでいたのに「おニャン子御殿を建てた」と言われていたし。逆に面白いと思ってインタビューで「おニャン子御殿に住んでいます」と話を盛っていたら、90%以上の人は冗談と受け止めず、計算高い金満家というイメージを広める結果になってしまいました。
有働 そもそも芸能界のど真ん中に居続けることに対して、やっかみがすごいのではないですか。
秋元 そこは誤解が多いでしょうね。稲垣潤一さん、長渕剛さん、とんねるず、おニャン子クラブ、小泉今日子さん、本田美奈子さん、美空ひばりさん、中島美嘉さん、AKB48、ジェロさん、乃木坂46。ヒット曲が出るたびに「秋元さんは運がいい」と言われるわけです。「なぜかよくヒットの近くにいてラッキーですね」と。
有働 ふむふむ、そう言われるのか。
秋元 いつも火事の現場にいる人がいたら、みんな不思議に思うでしょうね。でも、きっとその人は偶然、その場に居合わせたんじゃなくて、その人が“放火魔”なんですよ。僕もヒットの中心にいたから、単なる偶然ではないと思います。
有働 なるほど! 売れそうな子ばかりをプロデュースして運がいいね、と。
秋元 たしかに98%は運かもしれませんが、僕なりに一生懸命考えてはいるんですよ(笑)。
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