田中絹代 「西鶴一代女」を不朽にした女優の捨身

新藤 兼人 映画監督

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女優の田中絹代(たなかきぬよ)(1909―1977)は山口県生まれ。大正13(1924)年、映画界入り。「伊豆の踊子」(五所平之助監督)他で大スターに。戦後も「西鶴一代女」(溝口健二監督)「おかあさん」(成瀬巳喜男監督)など、多くの傑作に名演技を残した。『小説田中絹代』を著した映画監督の新藤兼人(しんどうかねと)氏がその人生を綴る。

 

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 田中絹代は1977(昭52)年3月21日、順天堂大附属病院で亡くなった。67歳であった。

 病名は脳腫瘍で、亡くなるときは失明状態となり、側近にもらした。

「目が見えなくなっても、やれる役があるだろうか」

 老女優が最後まで気にかけたことは、仕事のことであった。演じることがすべてだったのだ。

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source : 文藝春秋 1995年8月号

genre : エンタメ 映画