日本の食道がんの9割以上を占める食道扁平上皮がんは、生活習慣が原因とされる。「酒とタバコが最大の悪党。いずれもがんのリスク因子になってしまうからです」と矢作医師は指摘する。
アルコール(エタノール)は体内でアセトアルデヒドという発がん性物質になる。それを分解する酵素の働きが強い、いわば酒に強い体質なら、アセトアルデヒドを無害な酢酸にすぐ分解することができる。また分解酵素をまったく持っていない人は、そもそもアルコールを受け付けないため、リスクに晒されない。
問題なのは、分解酵素の働きが弱いタイプだ。酒によって顔や体が赤くなる、もしくは昔は赤くなったが長く飲酒するうちに赤くなりにくくなった人で、“フラッシャー”と称される。日本人の約4割にあたる。

「フラッシャーの人が長期間、気分よくお酒を飲み続けると、分解されないアセトアルデヒドが蓄積されます。その結果、食道の粘膜に炎症ができて、がんに発展するのです」
食道扁平上皮がん罹患者で、フラッシャーの割合は約7割に及ぶ。
「食道がんはアルコールとの関連性が医学的に証明されており、フラッシャーの人はハイリスク。もう飲まない方がいいというのが、専門医としての意見です」
禁酒が難しい場合でも、習慣飲酒(晩酌)はやめ、宴会やイベント時だけにとどめる機会飲酒にするのが望ましいという。
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