日本人に最も多いがんが大腸がんだ。主なリスク因子は喫煙や肥満、運動不足、食生活の欧米化といった生活習慣だ。遺伝性や炎症性腸疾患の影響も数%ずつだが挙げられる。
ステージⅠの5年生存率は93%(国立がん研究センターがん対策研究所)で、早期発見の意義が大きいが、年5万人以上が亡くなる。人口あたり死亡率はG7で最も高い。
「一番の原因は、検診の受診率の低迷です」と斎藤医師は指摘する。

検診の基本は、自治体検診で行われる便潜血検査だ。40歳以上が対象で、年1回、2日分の便を採取して提出する。肉眼でわからないほど微量な血液を検出するため、特に進行がんを見つけやすく、大腸がんの死亡率を下げるエビデンスがある。
ただ、斎藤医師は「受診率が5割弱というデータもあるが、実際は2割もないのではないか」と語る。
便潜血検査の課題は、早期がんだと陽性にならない時があることだ。
その弱点を克服するのが、全大腸内視鏡検査だ。肛門から内視鏡を入れ、直腸から盲腸までを観察する。人間ドックなどの任意型検診や、便潜血検査で陽性になった場合の精密検査で行われている。
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