「がんの中で一番やっかいなのが膵臓がんです。5年生存率が圧倒的に悪いので」。そう語る花田医師の元には、国内外から膵臓がんの検査を求める人が訪れる。
膵臓がんには公的な検診がない。早期では症状がないことが多く、気づいた時には手遅れの場合が多い。
花田医師は、病院のある広島県尾道市の医師会などと連携し、早期発見や治療を実現する「尾道方式」を推進してきた。尾道市での膵臓がんの5年生存率は、2016〜2017年診断群では、全国平均を大きく上回る20.7%だ。従来は難しかった超早期の発見例も多く、がん細胞が膵管内にとどまるステージ0なら5年生存率は9割近い。

尾道方式は、開業医らがリスク因子を持つ患者に腹部超音波検査(エコー)や血液検査を実施。がんの疑いがあれば精密検査に繋げる。
膵臓がんの最大のリスクは、糖尿病の新規発症と加療中の悪化だ。
「生活習慣を変えていないのに、急にヘモグロビンA1cの数値が悪くなるとか、糖尿病の家族がまったくいないのに人間ドックで突然『血糖値が高いですよ』と指摘されることは重要なサインの一つです」
膵臓がんの家族歴も重要だ。親・子・きょうだいの中に膵臓がん患者が1人いるとリスクは2〜4倍、2人いると6倍、3人以上だと10〜30倍程度になるとされる。特定の遺伝子を持つ人も患者の7〜8%を占める(乳がんの項目を参照)。
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