[5]肺がん 重喫煙者は低線量CT検査を受けよう

滝口 裕一 山王病院腫瘍内科・呼吸器内科部長、千葉大学名誉教授
秋山 千佳 ジャーナリスト

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ライフ 医療

 肺がんは死亡数も罹患数も右肩上がりだが、あくまで高齢化の影響によるものだと滝口医師は解説する。

「年齢調整死亡率で見ると1996年をピークに、男性は顕著に減少、女性は緩やかに減少しています。肺がんの最大のリスク因子は喫煙であり、たばこ消費動向から20年程度遅れて肺がん死亡率が変化してくるのです」

滝口裕一氏(本人提供)

 日本人の場合、喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんの罹患リスクが約4〜5倍、死亡リスクは男性で約4.5倍、女性は約2.3倍高くなっている。さらに「喫煙との関連が大きい肺がんは予後が悪く、様々な合併症も起こりやすい」という。

 非喫煙者の場合、PM2.5やアスベストといった発がん性物質への曝露などがリスク因子としてあるものの、偶発的な遺伝子変異で起きることもあり、予防は難しい。

 空咳や血痰といった自覚症状が出る頃には進行していることが多いため、早期発見のカギは検診となる。

 厚労省は今年4月から、自治体の検診の指針を変更した。滝口医師を委員長として国立がん研究センターがまとめた「肺がん検診ガイドライン」を踏まえている。

 変更されたのは、50〜74歳の重喫煙者(1日の平均喫煙本数に喫煙年数をかけた値が600以上。禁煙している場合は禁煙期間15年以内)の検診だ。

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source : 文藝春秋 2026年9月号

genre : ライフ 医療