KADOKAWA秘密文書入手 夏野剛「のし上がり」の代償

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外様だった夏野剛氏は捜査を受けどう動いたのか

 “映画のまち”東京都調布市の住宅街に佇む角川大映スタジオ。特撮映画のキャラクター「大魔神」の像が入り口に鎮座し、訪れる者を大迫力で出迎える。そんな社の足跡を象徴する場所が、歴史的な1日の「舞台」となったことは偶然だろうか。

 6月24日、出版大手KADOKAWAの定時株主総会が開催された。注目を集めたのは、筆頭株主(保有率15.25%)である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」の動向だ。アクティビストとして知られるオアシスは、総会を前にネット上に文書を公開していた。夏野剛(61)が社長に就任した2021年以降、営業利益が40%減少したこと、ゲームなどの知的財産の価値を十分に生かし切れていないことを指摘するものだった。

 会場には前会長の角川歴彦(83)の姿があった。

「4年ぶりだね。こんなに時間が経ってしまったなあ」

 マイクを握った角川は夏野にこう語りかけた。薄っすらと笑みを浮かべる夏野に角川は語気を強めた。

「あなた方が既に5年間経営陣にいて業績が落ちている。これは明らかな事実。上場企業の社長を5年間やるというのは限界だ。それでもまだやりたいと」

 現社長と前会長による“直接対決”。3時間を超えた株主総会は、この日一番の盛り上がりを見せた。

贈賄事件に揺れたKADOKAWA Ⓒ時事通信社

 1945年に創業者の角川源義が角川書店を設立して以降、現在のKADOKAWAに至るまで、同社は創業家である角川家が代々トップとして牽引してきた。これまで非創業家の人間が社長を務める例はあったが、実質的な経営権は角川家が握り続けてきた。だが今、KADOKAWAを支配するのは夏野だ。外様である夏野はいかにしてトップへと上り詰めたのか。

◇

 1965年、神奈川県に生まれた夏野は早稲田大学卒業後、東京ガスに入社。97年にエヌ・ティ・ティ移動通信網(現NTTドコモ)に移ると、世界初の携帯電話向けインターネット接続サービス「iモード」の立ち上げに携わった。その実績を買われNTTドコモの執行役員まで昇進した後、2008年から株式会社ドワンゴの取締役を務めると、「ニコニコ動画」の黒字化を達成。14年の経営統合に伴いKADOKAWAの取締役の座に就き、21年6月に株式会社KADOKAWAの代表取締役社長に就任した。ただ、この時点では角川が会長だった。

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source : 文藝春秋 2026年11月号

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