ギガ

数字の科学

佐藤 健太郎 サイエンスライター
ニュース サイエンス
サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。

今回の数字:ギガ=1,000,000,000

 近頃、「動画を見るとギガが減る」「月末でギガがもうない」という言い回しをよく聞くようになった。何のことかと思ったら、携帯電話のデータ通信容量を「ギガ」と呼んでいるのだそうだ。本来、データ量の単位であったギガバイトが略されて「ギガ」となり、いつしかデータ容量そのものを表す言葉に転用されてしまったらしい。体重が減ることを「キロが減る」と言っているようなもので、どうも気持ちの悪い言い回しだが、近年は携帯電話会社のCMでも普通に用いられており、もはや定着したものとして受け入れる他なさそうだ。

「ギガ」は本来、10億を意味する接頭語だ。筆者が子供の頃は、コンピュータもキロバイト(1000バイト)の単位で足りていたが、やがてメガ(100万)という接頭語が登場し、今やギガが当たり前に日常会話に出てくるご時世になった。

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source : 文藝春秋 2020年4月号

genre : ニュース サイエンス