財務次官の芽がなくなる?、霞が関に新たな枢軸、官邸の「重石」は誰に、交代は更迭か天下りか

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★次官の芽がなくなる?

 昨年の「モリカケ」問題に続き、財務省がまた矢面に立っている。5年7カ月にわたって安倍晋三首相の秘書官を務めた中江元哉関税局長(昭和59年、旧大蔵省入省)が、統計不正に関与していたとして、野党から国会で集中砲火を浴びているからだ。

 一方、この問題と軌を一にするかのように、岡本薫明(しげあき)財務事務次官(58年)の続投が浮上している。太田充(みつる)主計局長も続投し、同期の「岡本―太田体制」で10月の消費税増税を確実にするというのだ。

 同時に、昨年の不祥事による変則的な人事で理財局長に回った可部哲生氏(60年)も留任し、同期の矢野康治官房長は主税局長へ横滑り、矢野氏の後任には茶谷(ちゃたに)栄治官房総括審議官(61年)が昇格するとされている。

 この構想のミソは岡本・太田ラインとともに可部氏も留め置かれるという点にある。構想通りにいけば、2020年の人事では、可部氏を飛び越して、官房長の茶谷氏が主計局長になる公算が大きくなるからだ。しかも、もし仮に今年、岡本氏が退任して太田氏が次官となれば、主計局長には可部氏が順当だが、任命権者の麻生太郎財務相は「可部氏と相性がよくない」とされる。つまり、次官候補と言われてきた可部氏はその道が閉ざされかけているのだ。

 常に次官レースが注目される財務省人事の思惑。中江問題が降ってわき、はたして想定通りの人事は実現するのだろうか。

★霞が関に新たな枢軸

 いま「官邸主導」の波に最も乗っている官僚といえば、経済産業省の新原浩朗(にいはらひろあき)経産政策局長(59年、旧通産省)だろう。

 元々、最先端の経済学やテクノロジーを熱心に学び、早くから頭角を現した。経産省では時の総理が求める政策を補正予算や緊急経済対策の「玉(たま)」として提出することが、官僚の有能さを示す指標とされている。新原氏はこれがめっぽううまかった。

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source : 文藝春秋 2019年4月号

genre : ニュース 社会 政治