ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、張一鳴(Zhang Yiming、バイトダンス創業者CEO)です。
張一鳴
物心ついた時からインターネットが身近にあるミレニアル世代。彼らの感覚を知りたいなら、このアプリをお勧めする。「TikTok(ティックトック)」。15秒程度のショート動画を配信するサービスだ。
動画編集の素人であっても、スマホを使って、自分のダンスやペットの可愛らしい仕草を加工して投稿できる。コロナ禍の中にあっても、FCバルセロナのメッシが世界中で流行していた「トイレットペーパーチャレンジ」に倣って、自宅でトイレットペーパーをリフティングする動画を投稿。「ステイ・ホーム」を呼びかけたことが話題を呼んだ。
なんのことはないアプリだが、一旦立ち上げると延々と見てしまう中毒性がある。15秒で次々と動画を見ていくスタイルは、まさに飽きっぽいミレニアル世代向きだ。2016年に中国で「抖音(ドウイン)」の名前で開始され、海外では「ティックトック」と名前を変えると、瞬く間に世界で10億人(月間)の利用者を獲得した。
ティックトックを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)の創業者、張一鳴は1983年生まれの37歳。中国で現代的高等教育を受けた最初の世代とされる「八十後(バーリンホウ)」で、天津市の南開大学でソフトウエア工学を専攻。学生時代はプログラムを書くコーディングと読書に明け暮れ、研究後には仲間と焼き肉を楽しむ日々を送った。
2005年に大学を卒業すると旅行検索サイトの会社で数年働いた後、いくつかの起業を経て2012年にかつての焼き肉仲間を誘ってバイトダンスを立ち上げた。
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source : 文藝春秋 2020年7月号