トランプをやり込めるパンクな喧嘩屋 ジャック・ドーシー(ツイッター共同創業者CEO)

世界経済の革命児 第46回

大西 康之 ジャーナリスト
ニュース 経済 国際
ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、ジャック・ドーシー(Jack Patrick Dorsey、ツイッター共同創業者CEO)です。
202008世界経済の革命児顔写真(ジャック・ドーシー)※共同通信フォトから取りました
 
ジャック・ドーシー

トランプをやり込るパンクな喧嘩屋

 秋の大統領選で再選を目指すドナルド・トランプが、目下、最も目の敵にしている経営者と言えば、この男。ツイッターの創業者で現CEO(最高経営責任者)のジャック・ドーシーだ。

 新聞、テレビといった既存メディアを「フェイク・ニュース」と批判するトランプは、自分の考えをツイッターでつぶやく。しかしこの数カ月、お気に入りのツイッターから“猛攻撃”を受けている。

 5月26日、トランプが郵便投票の制度について「不正の温床。投票箱が盗まれ、改竄され、投票用紙が違法に印刷される」とつぶやくと、すぐさま、その下にツイッター側から「ファクトを確認してください」という警告文が現れた。

 贔屓にしてきたツイッターに手を噛まれたトランプは逆上した。

「保守派を沈黙させようとするソーシャルメディアプラットフォームを規制するか、閉鎖してやる」

 トランプ陣営はツイッターでコンテンツ品位管理の責任者ヨエル・ロスについても「左寄りのバイアス(偏向)がある」と批判した。

 ドーシーはこれに猛然と反発した。

「会社としての行動の最終的な説明責任は全て私にある。社員を巻き込むな!」

「これからも選挙に関する誤情報について指摘していく。我々は“真実の審判者”になりたいわけではなく、対立する発言を整理して人々の判断を助けたいだけだ」

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source : 文藝春秋 2020年8月号

genre : ニュース 経済 国際