カトリック神父「小児性的虐待」を実名告発する

“バチカンの悪夢”が日本でもあった!

広野 真嗣 ノンフィクション作家
ニュース 社会

遂に被害者が名乗り出た。これは「対岸の火事」ではない

総括を迫る法王フランシスコ ©時事通信

「神の家」は、少なくとも3度燃えた。火元は寝室や図書室でこれといって火の気はなく、原因ははっきりしなかった。

 焼け跡を写したモノクロ写真を差し出すと、初老の男は覗き込んだ。2件の火事はこの男が小学生だった1963年と1969年、もう1件の火事は2012年に起きた。焼けたのは児童養護施設「東京サレジオ学園」である。

 その男、竹中勝美(62歳)が口を開いた。昂ぶると裏声になる。

「どちらも放火だと思います。火をつけたくなる者の気持ちが、私にはわかる。すべてを燃やし尽くしてしまいたくなったんだろうって」

 きわどい発言だが、表情に戯れの色はない。この施設の神父に人生を狂わされたという怒りのためだ。相槌を無視する勢いで、竹中は続ける。

「燃えた場所を見てください。出火元の階上にあるのが“燃やしたい場所”だったはずです。10歳だった私が、あの男のものを握らされ続けた場所でもある」

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

「文藝春秋電子版」は雑誌付きプランが断然お得!! 電子版分は実質無料 今すぐお申し込み

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2019年3月号

genre : ニュース 社会