自分の意見をしっかり言える強さと、ユーモアを忘れないチャーミングさ。大坂なおみ選手の「生きざま」は、なぜ多くの人を惹きつけるのか。圓窓代表の澤円さんが、大坂選手の「かっこよさ」の秘密に迫ります。
新型コロナウイルスに関する情報が日々報道される中において、大坂なおみ選手の全米オープン2回目の優勝は、とても嬉しいニュースでした。
スポーツ選手を独自の視点でとらえる「Number Web」でも、大坂選手の優勝が大きく取り上げられていました。〈「あなたが受け取ったメッセージは何ですか?」22歳の女王・大坂なおみは米国でどう評価されているのか〉と題した記事では、「私はアスリートである前に黒人女性です」と語る大坂選手の「社会的課題」への向き合い方と「メッセージ発信」について詳しく書かれています。
ボクにとって大坂選手は本当にかっこいいと思えるスポーツ選手の一人です。
彼女が「大坂なおみ」という日本人の名前を持っていることで、一人の日本国民として嬉しい気持ちになると同時に、「ハイチ人」でもあり「アメリカ人」でもあり「黒人」でもあり「ハーフ」でもあることをごく自然に受け入れている「多様性を体現しているトップアスリート」としても尊敬をしています。
彼女は、多様な「人種的アイデンティティ」を持ちつつ、どれを否定するわけでもなく「大坂なおみ」としての人生を力強く生きているように見えます。
ボクはその生きざまを心からかっこいいと感じています。
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source : 文藝春秋 2021年1月号