90歳以上「長寿の医師」に学ぶ本物の健康法

長寿を恐れるな

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3人の医師に共通する食事や運動とは?

松本医師の趣味はサイクリング ※画像はイメージ ©iStock

 人生の大先輩に失礼かもしれないが、3人ともとてもチャーミングな方だった。それが今回の取材の率直な感想だ。

 近年、医師などが書いた、長生きする食事法や心がけを説く本が根強いブームとなっている。世界的な研究に基づく科学的な内容から、個人の考えを述べただけの眉唾なものまで様々だが、いずれにせよ、本当に長寿を果たした人たちが、その通りのことを実践してきたとは限らない。とくに、健康について誰よりも知識が豊富なはずの医師が、どんな食事法や心がけをしてきたのか。長寿を果たした方々にぜひ話をうかがってみたかった。

 ところが、取材はアポ取りの段階から難航した。ネットなどで調べて、本を出した人やテレビに出ていた該当者に連絡をとってみると、体調を崩していたり、すでに亡くなっていたりして、次々断られたのだ。90を超える高齢の方たちばかりだから、無理を言うこともできない。結局、8人に連絡して、なんとか3人の方にお会いすることができた。

 最初に取材に応じてくれたのが、昭和2(1927)年生まれ、今年で91歳の藤巻幹夫さん。新潟県小千谷市の山間の集落・真人(まっと)町でいまも診療を続けている。冬は3メートルも雪が積もる豪雪地帯だ。

 現在、次男の克久さんが理事長を務める藤巻医院は、茅葺屋根が残る木造の歴史ある建物だった。診療室の奥の座敷に通され、待っていると、柔和な表情が印象的な幹夫さんがゆっくりと入ってきた。

「長岡の建築の先生に一度見てもらったんですが、240年以上前に建てられたと聞きました。金沢の医専に入った父の敏太郎が大正元年に産婦人科医院を開業したんです。ここは元々役場だったのですが、本屋さんが入っていた場所に、県立病院より先に親父がレントゲンの装置を据え付けたそうです」

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source : 文藝春秋 2019年2月号

genre : ライフ 医療 ヘルス