トランプの言いなりで兵器を買うな

山下 裕貴 元陸将
富坂 聰 拓殖大学海外事情研究所教授
ニュース 政治 国際

イージス・アショアがあれば万全という神話は怖い

F-35戦闘機 ©時事通信

 ――安倍首相が9月末にニューヨークでトランプ大統領と会談した際、新たな貿易協議(日米物品貿易協定)の交渉に入ることで合意し、自動車などの関税引き上げの先送りにとりあえず成功しました。

 中国は攻められ続けていますから、会談前の日本側は戦々恐々でした。さすがシンゾー・ドナルドの関係はダテじゃないと持ち上げる人たちもいますが、防衛関係者は必ずしもそうは見ていなかったようですね。

 山下 トランプ大統領が会談後に「日本は、すごい量の防衛装備品を買うことになった」と言ったことには正直ショックを受けました。日本の防衛予算面からは厳しい状況になると思いましたね。

 ――アメリカから防衛装備品を“爆買い”することになれば、自衛隊の予算や装備にも影響が出るということですか。

 山下 そのとおりです。というよりも日本はすでにアメリカから防衛装備品をかなり買っており、その問題を指摘する声は防衛関係者の間にもあります。

 もちろん、アメリカの最新鋭の兵器を採り入れること自体は悪いことではありません。ステルス戦闘機のF-35や無人偵察機グローバル・ホークなど日本で作れない兵器も多いですから。

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source : 文藝春秋 2019年1月号

genre : ニュース 政治 国際