★ドンキ安田の真の狙い
ドンキホーテホールディングス(HD、大原孝治社長)の動向が注目を集めている。
ユニー・ファミリーマートHD(髙柳浩二社長)とドンキホーテHDの資本提携強化の会見は、10月15日の予定だった。だが10月10日、日経ビジネスオンラインが「ファミマ、ユニー全株をドンキに売却検討」とスクープ。急遽、会見が開かれた。9日に本社移転のお披露目をしたばかりのユニー(佐古則男社長)社員にとっては、青天の霹靂だっただろう。
11月上旬にユニー・ファミマHDは、ユニーの全株式を来年1月にドンキホーテHDに売却すると発表。ユニーはドンキホーテHDの完全子会社となる。ユニー売却は、親会社の伊藤忠商事の岡藤正広会長の既定方針だった。
今回、最も恩恵を受けるのは、282億円という破格の安値でユニーを手に入れるドンキホーテHDだ。両社の売上高を単純合算すると、1兆6543億円。小売業でイオン(岡田元也社長)、セブン&アイ・ホールディングス(井阪隆一社長)、ファーストリテイリング(柳井正会長)に次ぐ国内4位に躍り出ることになる。
だが狙いは規模の面だけではない。ドンキホーテHDは来年1月、創業者の安田隆夫氏が取締役(非常勤)に復帰、2月にはさらなる海外展開を見据え、社名をパン・パシフィック・インターナショナルHDに変更する。
先の緊急会見では、ユニー・ファミマHDがドンキホーテHDの筆頭株主になり、持分法適用会社に組み込むことも発表された。ドンキホーテHDはシンガポールや米国にも店舗はあるが、海外の知見には乏しい。「伊藤忠のネットワークを活用しながら、海外事業の拡大に取り組む。これがユニー・ファミマHDの持分法適用会社になることを受け入れた最大の理由。仕掛け人はもちろん安田氏だ」(商社関係者)。ドンキが伊藤忠を取り込んだ形だ。
安田氏の必勝法は「肉を切らせて、骨を断つ」だという。捨て身で相手の懐に飛び込んで自分のものにすること。今回の提携はまさにその言葉通りと言えるだろう。
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source : 文藝春秋 2018年12月号