ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、李斌(Li Bin・William Bin Li、NIO創業者)です。
李斌 ©ロイター/アフロ
トヨタ自動車の豊田章男社長もしばしば訪れる欧州自動車レースの聖地、独ニュルブルクリンク・サーキットで、2017年5月にEV(電気自動車)で「世界最速」のタイムを叩き出したのは、どこの国のメーカーかご存知だろうか。
残念ながら日本メーカーではない。EVの代名詞と言われる米国のテスラでも、ドイツのポルシェやイタリアのフェラーリでもない。中国のEVベンチャーNextEVだ。
同社が作ったスポーツカータイプのEV「EP9」は、それまでイタリアのスーパーカー、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテが持っていた最速タイム、6分52秒01を6秒以上も上回る6分45秒90の記録を叩き出し、「世界で1番速い市販車」の称号を手に入れた。市販車といっても生産台数はたったの6台。価格は120万ドル(およそ1億3300万円)だからビジネスとは呼べないし、その後、記録はイギリスのマクラーレンに更新された。それでもガソリン・エンジンのクルマが営々と積み上げてきた記録をいきなりぶち破るEVの登場には、世界中が度肝を抜かれた。
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source : 文藝春秋 文藝春秋2021年11月号