ネットの世界からEV製造へ乗り出した北京大卒の起業家 李斌(NIO創業者)

世界経済の革命児 第61回

大西 康之 ジャーナリスト
ビジネス 国際 企業
ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、李斌(Li Bin・William Bin Li、NIO創業者)です。
「世界経済」ウィリアムリー(ロイター_アフロ)
 
李斌 ©ロイター/アフロ

 トヨタ自動車の豊田章男社長もしばしば訪れる欧州自動車レースの聖地、独ニュルブルクリンク・サーキットで、2017年5月にEV(電気自動車)で「世界最速」のタイムを叩き出したのは、どこの国のメーカーかご存知だろうか。

 残念ながら日本メーカーではない。EVの代名詞と言われる米国のテスラでも、ドイツのポルシェやイタリアのフェラーリでもない。中国のEVベンチャーNextEVだ。

 同社が作ったスポーツカータイプのEV「EP9」は、それまでイタリアのスーパーカー、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテが持っていた最速タイム、6分52秒01を6秒以上も上回る6分45秒90の記録を叩き出し、「世界で1番速い市販車」の称号を手に入れた。市販車といっても生産台数はたったの6台。価格は120万ドル(およそ1億3300万円)だからビジネスとは呼べないし、その後、記録はイギリスのマクラーレンに更新された。それでもガソリン・エンジンのクルマが営々と積み上げてきた記録をいきなりぶち破るEVの登場には、世界中が度肝を抜かれた。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 文藝春秋2021年11月号

genre : ビジネス 国際 企業