劇団四季は昨年から今年にかけて、首都圏に三軒の新劇場をオープンしました。竹芝のJR東日本四季劇場[春][秋]、そして有明四季劇場です。[春]では、『アナと雪の女王』をロングランし、[秋]では来年1月まで『オペラ座の怪人』を、有明では、四季劇場[夏](大井町)のクローズに伴い、『ライオンキング』を移設して上演しています。観劇にいらした知人からは、「コロナ禍の中で新しい劇場を次々に開けるなんて、四季さんも強気ですね」という、半ば同情のニュアンスが漂うお言葉をいただくことも多く、その都度、「劇場の建設は何年も前から計画されていますので、途中でストップすることなどできません」と苦笑しながら応えています。とにかく収束を信じて前に進む他はないのですが、それでも昨年の前半には、この感染症とどう戦って良いかが分からず、途方に暮れていた時期がありました。
そんな折、雑誌に掲載されていたある方のインタビューを目にしたのです。そこには、「アフターコロナのようなものはない。以前からあることは加速するが、これまで起こっていないことは、いずれ元に戻る」と書いてありました。この時期、政府や自治体を含め世間一般に、演劇はネット配信など映像を使った代替策を研究して、そこで生き残る方法を考えるべきだというムードが存在していたように思います。私はこれに強い違和感を抱いていたので、記事を読んで腑に落ち、煩悶していた自分の気持ちが代弁されたように感じました。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2021年12月号