ショーケンのニックネームでカリスマ的な人気を誇る一方、薬物や恐喝未遂容疑での逮捕、4度の結婚などで世間を騒がせた俳優の萩原健一(1950~2019)。その素顔をデザイナーの菊池武夫氏が綴る。
菊池氏
ショーケンは大きく変わった。
以前のように緊張感を他人に強制することはなくなったし、周囲にも優しくおおらかに接するようになった。それまで誰も変えることができなかった彼の生き方を変えたのは、2011年に結婚した夫人である。
結婚後は安らかな人生を送っていたし、役者としても、あと十数年は最高の時期を過ごせたはずなのに、運命は残酷だ。
萩原健一
彼を知ったのは、テンプターズのボーカルとして歌う姿をテレビで観たときだ。グループサウンズの全盛時代、他と異質なストリート感覚のサウンドにインパクトを受けた。その後、70年代の初頭、赤坂にあった伝説のクラブ、ムゲンやビブロスに出入りするうち、俳優に転じた彼と顔見知りになった。ドラマ「傷だらけの天使」の衣装担当になったのもビブロスでの遭遇がきっかけだ。
研ぎ澄まされた精神の持ち主で、自分にも他人にも妥協を許さず、私には一度もなかったが、他の関係者には厳しく当たっていた。「傷だらけ」の後も仕事場に私が必ず呼ばれたのは、精神のよりどころとして、そばに居てほしかったからだろう。
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source : 文藝春秋 2022年1月号