◆歴史の転換点に日本はどうあるべきか
文藝春秋digitalは、4月13日(水)20時〜、元外務省欧州局長の東郷和彦さんと国際政治学者の三浦瑠麗さんによるオンライン対談イベント「プーチンの野望」を開催しました。
《フル動画はこのページ下部にあります》
最新号の「文藝春秋」4月号に、東郷和彦さんと畔蒜泰助さんによる対談「プーチンの野望」が掲載されました。そこで東郷さんは「ロシア側の思考回路」に立つことから、ウクライナ侵攻におけるプーチンの思惑を分析しています。
1999年、プーチンは「1000年紀の狭間におけるロシア」という論文を発表しました。弱体化し、国際的な地位も地に落ちたロシアの「回復」を誓った悲痛な内容ですが、東郷さんはプーチンの行動原理「ロシア国家の強化」の原点としてこの論文に着目します。
また、西側に当初は融和的だったプーチンを変化させたきっかけとして、東郷さんはウクライナとグルジア(現・ジョージア)の加盟をNATOが原則「同意」した2008年のブカレスト会議を挙げます。
このとき、「ロシアが悲惨なまでに落ち込んでいた時に作られた『冷戦後の欧州の安全保障秩序』を変えなくてはいけない。必要ならば、軍事力を使ってでも『尊敬される大国』としてのロシアの主張を貫徹させねばならない」という覚悟をプーチンが持ったのではないかと東郷さんは指摘します。
歴史上、ロシアは「外敵に対する恐怖」を抱き続けてきたとする東郷さんは、ウクライナ侵攻の帰結をどのように考えているのでしょうか。
一方、国際政治学者の三浦さんは、事態が長期化する可能性について懸念しています。現在のロシアは「弱体化する帝国」であり、「帝国の『核』となる最小単位のステートの内側へと退却する論理が働かない限り、利益が情念や理念を上回らない限り、紛争は終わらない」と書きます(「帝国の衰退、攻撃国家の電撃戦、独裁者の暴発……ウクライナ侵攻の本質と世界の対応」『論座』)。
また、ロシアが核保有国であることにも触れ、プーチン政権の転覆の困難を指摘します。核戦争のリスクを取るのか、侵攻を行ったロシアと一定の折り合いをつけるのか――プーチンとの対峙は「短期から中期にかけての『チキンレース』に他ならない」と警鐘を鳴らしています。
ロシアの自壊を待つにしても、様々な条件から長期化を三浦さんは予測しており、「100年単位で物事を見ていくしかない」と言います。
前世紀に時計の針を逆回ししたかのような世界情勢で、日本はどう振舞うべきか――貴重な対談、ぜひご覧ください。
当日リアルタイムでご覧になれない方も、イベントの模様を収録した動画を配信しますので、何度でもご覧いただくことができます(※編集の都合上、動画はイベント終了後、一両日中に公開します)。動画は本記事のいちばん下(有料部分)にアップします。
◆イベント概要
イベント名:「プーチンの野望」
出演:東郷和彦、三浦瑠麗
日時:4月13日(水)20時〜21時30分(予定)Zoomウェビナーを使用して開催します。完全オンラインイベントです。当日リアルタイムでイベントをご覧になれない方も、アーカイブ動画の配信があります(※動画編集の都合上、イベント終了後、一両日中にアップします)
◆問い合わせ
文藝春秋編集部
メール:mbunshun@bunshun.co.jp
◆イベントフル動画
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