パリの友人たちは“渋派手”を好みます

至福の贈り物 第8回

村上 香住子 ジャーナリスト
ライフ 商品
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村上さん

 20年以上住み慣れたパリを離れ、2005年に帰国しました。以来、パリを訪れるたびに日本のお土産をたくさん持っていきます。ジェーン・バーキンに「Mère Noël(サンタおばさん)」と呼ばれるほど(笑)。

 友人たちは芸術の都に住むだけあって歴史的で文化的、かつ美しいものに心惹かれます。特に渋くて派手というのでしょうか、見た目が大仰でなく、抑えたなかから漏れ光る美に敏感です。100本もの繊細な穂先を持つ茶筌や、伝統的な文様が煌めく唐紙、上品な甘さの和菓子がそれ。いずれも控えめだけれど、職人の丁寧な手仕事が輝きを放っています。

 お洒落感度の高いモード関係者やセレブがBento(弁当)を流行らせるなど、日本の人気は衰えることがありません。贈りたいものはまだまだあります。1日も早くパリに行って友人たちの喜ぶ顔を見たいです。

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source : 文藝春秋 2022年8月号

genre : ライフ 商品