パリ協定は、今世紀後半にネットで温室効果ガスの排出量をゼロにする脱炭素化の目標を掲げている。日本は、2016年、同協定を批准している。脱炭素化を実現するための日本のエネルギー政策(と産業・国土計画)は、待ったなしの課題である。
だが、日本を取り巻く環境は厳しい。福島原発事故以後、日本の1人当たりCO2排出量は、上昇基調に転じている。
着実に削減している英仏に比べ、見劣りする(ドイツは削減伸び悩み)。
かつて、低炭素化においては省エネや排気ガス規制で世界を引っ張った日本だが、脱炭素化ではもたついている。
脱炭素の観点からは再生エネルギーを「主力電源」と位置づけ、エネルギー安全保障の観点からは、原子力も最小限必要なオプションとして残しておくのが現実的な選択であると、私は思う。
脱炭素化の有力電源とされる再生エネルギーにしても原子力にしても、どちらか1本にしぼる一本足打法は、リスクが大きすぎる。それぞれ自然変動による間欠性(可変性)や事故・安全性などに問題がある。
実際問題として、化石燃料を相当長期にわたって使用せざるをえない。
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source : 文藝春秋 2018年06月号