政界工作の実態が内部資料から見えてきた
あまりに手前勝手な記者会見だった。6月29日、当日に発売された週刊文春の記事「下村博文元文科相『加計学園から闇献金200万円』」に対し、下村博文がとつぜん反論会見を開いた。そこで下村は当該の記事だけでなく、本誌前号の「加計が食い込んだ下村元文科相夫妻」についても一方的に事実無根だと主張した。あたかも情報源が特定の元秘書であると決めつけて個人攻撃を繰り返した挙句、質問もそこそこに30分で切りあげ、立ち去ってしまった。
〈博友会パーティー入金状況〉
私がそう題されたカラーコピーの一覧を関係者から見せられたのは、本誌前号の記事を書く少し前のことだ。くだんの政治資金パーティ収入は、会見で力説したような真っ当な政治献金かどうか。甚だ疑問なので改めて詳しく分析し、検証する。
表題通り、パーティの主催者は下村博文の後援組織「博友会」だ。自民党都連会長として先の都議選の先頭に立った下村は、安倍晋三最側近の1人として知られる。文部科学政務官や日本ユネスコ国内委員会委員などを歴任してきた文教族議員だ。
2012年12月、第2次安倍政権が発足すると、念願の文科大臣に就任した。と同時に、博友会のパーティの案内状は、「下村博文第18代文部科学大臣講演会」と書かれるようになる。政界でしばしば見かける講演会付きの政治資金集めパーティであるが、初入閣したおかげで宴はずい分盛大になった。
たとえば14年10月14日、東京・芝の増上寺に近い東京プリンスホテルで開かれた博友会のパーティは、参加者が優に1000人を超えた。ホテルで最も広い500坪の鳳凰の間で、下村本人の講演を1時間ほど聴いたあと、招待客たちはパーテーションの向こうのパーティ会場に移った。
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source : 文藝春秋 2017年08月号