「ネッククーラー」みんなが首に巻いてるアレ

2025年のことば⑥

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員

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いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

 2025年の夏も猛暑となりました。気象庁が明治に統計を取り始めてから最も高く、これまで最も暑かった昨年・一昨年を大幅に上回ったといいます。テレビニュースでは毎回「危険な暑さ」が叫ばれ、気象庁では最高気温が40度以上の日を「酷暑日」などと呼ぼうか、とまで検討しています。外に出るのが本当に嫌なほどの暑さが続きました。

 ニュースで街頭インタビューの映像を見ると、道行く人々はいろいろな暑さ対策をしています。白い日傘を差す人が以前よりずっと多くなりました。男女を問いません。あるいは、手持ちの小さな扇風機を持っている人もいます。これは「ハンディファン」、または「ハンディ扇風機」などと呼ばれています。

 このほか、首の周りに太い輪っかのようなものをつけている人も増えました。表面はゴムっぽい可塑性の樹脂で覆われています。冷蔵庫でしばらく冷やした後、首に巻いて外出すると、しばらくはひんやりとした感じが保たれます。

 この輪っかを何と言うのか。家族に聞くと「ネックヒーラー」と言います。「ヒーラー」はおかしい。ただ、少なからぬ家庭で「首に巻く冷たいやつ」などと言っているのではないでしょうか。

飯間浩明氏 ©文藝春秋

 というのも、近年急速に普及したこの器具は、いろいろな名前で呼ばれているからです。いわく「ネッククーラー」「ネックリング」「クールリング」「クールネックバンド」など。以上は登録商標ではありませんが、商標名としては「クーループ」「アイスループ」「アイスクールリング」……など、いろいろなものがあります。何と呼ぶのが標準的なのか、迷う人も多いでしょう。

 新しい商品にはよく起こることです。たとえば、絆創膏(ばんそうこう)もそうです。日本では地域によって別々の商標名を一般名として使うようになりました。「バンドエイド」のほか、北海道で「サビオ」、佐賀で「カットバン」、熊本で「リバテープ」など。呼び名で出身地が分かります。

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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

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