「界隈」グループ化したがる心理

〈コラム〉2025年のことば②

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員

NEW

ニュース 教育

いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

 2024年4月のことです。「風呂に入るのが嫌なので、ドライシャンプーを使ってみた」という趣旨の発言がSNSに投稿されました。これをきっかけに、「風呂キャンセル界隈(かいわい)」という表現を使った投稿が相次ぎました。

「風呂キャンセル界隈」とは、風呂に入りたくない人々や、入る気力がないほど心身が不調になった人々、という意味です。この表現はSNSの「トレンド」に入るほど注目を集めました。

飯間浩明氏 ©文藝春秋

 その後、2025年にかけて、「界隈」の用法がメディアで取り上げられるようになりました。たとえば、「ロリータ(ファッション)界隈」など、「ある分野(の人たち)」というような使い方にスポットライトが当たりました。

 本来、「界隈」は、街の中などの「そのあたり」を表します。「銀座界隈」「梅田界隈」などが典型的な用法です。この意味はどの国語辞典にも載っています。

 一方で、「文学界隈」「コンピュータ界隈」「マスコミ界隈」などの言い方も、すでに昭和戦後には現れています。つまり、「ある分野(の人たち)」の意味も、けっこう以前からあったわけです。

 私が携わる『三省堂国語辞典』第8版には「マスコミ界隈・声優ファン界隈」という例が載っています。「新用法をちゃんと載せていますね」と褒めてくれる人もいます。でも、これだけなら、特に新しい用法ではないんですね。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : ノンフィクション出版 2026年の論点

genre : ニュース 教育