いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
2025年1月に発足したアメリカの第二次トランプ政権では、実業家のイーロン・マスク氏が中枢に入り込み、影響力を誇りました。すると、マスク氏と長年冷え込んだ関係にあったジェフ・ベゾス氏、マーク・ザッカーバーグ氏といったIT実力者が融和的な姿勢に転じたといいます。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は1月、これを「新たなフレネミー時代(a new Frenemy Era)」と報じ、日本でも紹介されました。

「フレネミー」とはどういう意味か。『Oxford Dictionary of English』(電子版)によれば、19世紀後半に「friend」(友人)と「enemy」(敵)を合わせて作られた語です。内心では敵対しながら、フレンドリーに接する相手のこと。ベゾス氏やザッカーバーグ氏にとって、マスク氏はまさしくフレネミーだったわけです。
トランプ政権に対する世界の反応は、「フレネミー」と言うにふさわしいものがあります。たとえば、NATOのルッテ事務総長は、トランプ大統領に対してフレネミー的態度を取り、米軍によるイラン攻撃について「あれだけ思い切ったことは誰にもできない」と「おべっか」を使いました(6月)。
「フレネミー」ということばは、2010年代には日本でも知る人が多くなりました。たとえば、『anan』10年5月6日号では〈あなたの友達も、もしかしたら…いま大増殖中!“フレネミー”に気をつけよう!〉という記事を掲載し、そのウェブ版も注目されました。
その後、「フレネミー」は「ユーキャン新語・流行語大賞」(2015年)の候補語に入るなど、広がりを感じさせました。SNSなどで突発的に話題になることも何度かありました。ただ、その傾向は持続しませんでした。
ところが、2025年にはウェブサイトの検索数も徐々に上がり、持続的な変化の兆しがあります。「フレネミー時代」を反映しているのでしょうか。〈友人のふりをする敵「フレネミー」への対処法〉(「チームの教科書」6月10日。海外記事の翻訳)、〈職場に潜む裏の顔/フレネミーの特徴と効果的な対処法は?〉(「日本の人事部」7月31日)などのウェブ記事も。フレネミーの存在を知っておくことは、ビジネス上も必要と考える人が多くなったのかもしれません。
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