「天衣無縫の突破力」キャメロン・ディアス

スターは楽し 第196回

芝山 幹郎 評論家・翻訳家
エンタメ 映画
スターは楽し.jpg(クレジット)Everett Collection_アフロ
 

 キャメロン・ディアス 
©Everett Collection/アフロ

 

 2022年6月、キャメロン・ディアスの女優復帰が発表された。映画撮影に伴う移動の連続に疲れ果てたと嘆いたのが17年夏で、引退を公表したのが18年春だったから、疲れが取れるまでに約5年を要したということか。

 復帰第1作はネットフリックス製作の『バック・イン・アクション』といわれている。共演はジェイミー・フォックスで、監督はセス・ゴードン。過大な期待は禁物だが、ディアスは1972年8月生まれだから50歳を迎えたばかりだ。老け込むにはまだまだ早い。

 そんなことを口走ってしまいそうなほど、1990年代のディアスには突破力と破壊力があった。175センチ近い長身に、冗談としか思えないほどすらりと長い手足。そんな身体のてっぺんに、一度見たら忘れられない、愛嬌たっぷりの小さな顔が載っている。

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source : 文藝春秋 2022年10月号

genre : エンタメ 映画