萌ゆる刀剣

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東京国立博物館が創立150年を記念するとなるとさすがに気合いが違う。国宝の刀剣で最多の所有を誇る、19件すべてを公開。開幕するや、多くの愛刀家が押し寄せている。

写真=佐藤亘、東京国立博物館

端正な輝きに、絶大な存在感を見せる「三日月(みかづき)宗近(むねちか)」。まるで宙に浮いたかのような展示で、どこから見ても隙のない美しさ

皇室や将軍ゆかりの名刀を堪能する

 今回の特別展は絵画や書跡のほか、刀剣は一室にまとめて展示されている。静謐で真っ暗ななか、ずらりと並んだ刀が思い思いに光を放つ様子に、来館者からは「何周もした」「ビリビリきた」と称賛の声が相次ぐ。このような大胆な設えでの公開は、今後当分ないだろう。徳川吉宗の命で編纂された名刀帳『享保名物帳』に名を連ねたり、皇室や将軍に愛されたものばかりだが、見逃せない5件を東京国立博物館登録室長の佐藤寛介氏にたずねた。(特集記事もご覧ください)


太刀 銘 三条(名物 三日(みか)(づき)宗近(むねちか)

平安時代・10~12世紀 渡邊誠一郎氏寄贈

天下五剣で「名刀中の名刀」と称される大傑作。名工・三条宗近が作刀した。切先(部分)に向けて美しい曲線を描き、刃文には三日月形の模様がいくつも浮かぶ。豊臣秀吉の正室高台院や将軍・徳川秀忠が所蔵した

 

太刀 銘 備前国(びぜんのくに)包平作(かねひらさく)(名物 大包平)

平安時代・12世紀

長大で堂々とした姿から日本刀の横綱の異名を持つ。茎(なかご、柄の部分)には刀身を固定するいくつかの目くぎ孔(部分)が。江戸時代は姫路城をかまえる岡山藩主池田家に伝来。かつてGHQのマッカーサーも所望した

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source : 文藝春秋 2022年12月号

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