成田 謎のおしゃべり新連載、今日が記念すべき第1回でして。
米倉 私で大丈夫ですか? 成田さん、失敗したかもしれませんよ。
成田 いやいや、失敗したのは米倉さんのほうなんじゃ。
米倉 私、失敗しないはずなんですけどね(笑)。
成田 その『劇場版ドクターX FINAL』(2024年12月6日公開)を拝見いたしまして。色んな方角で面白かったんですが、どこかで聞いたようなセリフが……「高齢の先生方は集団自決を」とかなんとか。
米倉 聞かれるかなと思っていました(笑)。染谷将太さんが演じる神津病院長ですよね。
成田 既得権にのらりくらり居座ってる医師たちを切り捨てる役です。あのモデルは……。
米倉 『ドクターX』って、時事ネタとか世の中の空気を採り入れているので、今、実際に若い世代のリーダー的な存在として走っている方々の象徴という感じで……。
成田 すいません、答えにくいこと聞いて。
米倉 答えにくいです!(笑) でももし、気分を悪くされていたら、どうか笑って許してほしいなって。
成田 僕は気分良くも悪くもならない不感症なので大丈夫です。
この記事は、月刊文藝春秋誌上に掲載されたダイジェスト版です。「文藝春秋 電子版」では、誌面では紹介できなかったカット部分、二人の微妙なやり取りを完全収録した「ノーカット完全版」を公開中です。
米倉 へえ(笑)。ただジェネレーションチェンジは今回のテーマのひとつだったと思いますが、私が演じる大門未知子からすると、変革を迫る若者も、しがらみの中に居座る老人も、根は同じなんですよね。
成田 たしかに。居座ってる老害への辛辣な言葉が多いので下剋上と世代交代の話かと思いきや、彼女はそういうステレオタイプから自由。患者とか命そのものに正面から向き合う存在として描かれてますよね。
米倉 そうなんです。あくまで大門未知子の一匹狼の物語なんです。
成田 ちなみに撮影期間はどれぐらいだったんですか?
米倉 2カ月の予定だったのですが、私が病気(脳脊髄液減少症)をしてしまいまして。結局トータルで半年ぐらいかかりました。
成田 お体はもう大丈夫ですか?
米倉 正直、まだ分からないです。でも、去年よりはマシかな。ひどいときは、(がっくりうなだれて)もうこんな感じで、まっすぐ歩けなかったんです。
成田 仕事の仕方も大きく変わられたんですかね。
米倉 だいぶ。確実にお約束できない仕事は引き受けられないので、自分の“夢のかたち”は少し狭まってしまったように思います。
成田 健康って壊れると他も全部が壊れちゃいますよね。
米倉 おもな症状がめまいとか全身のだるさなので、私が病気であることが外見からはなかなか伝わらないのが辛かったですね。そういうときに「病は気から」みたいなことを言われると、「そういうんじゃない!」とイラッとしたり。
成田 健康な人間って無神経なこと言いますもんね。
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