豪華な外観や設備に騙されない。後悔しない「終の棲家」を選ぶチェックシート
ある有料老人ホームに入居している女性からこんな話をうかがった。
夫に先立たれ、一人暮らしの不安もあったので、老人ホームのランキングを特集した雑誌にも目を通し、検討を重ねて倒産の心配がない大手の介護付き有料老人ホームに入居した。入居一時金は三千万円。終の棲家になるのだからと、自宅を売却してこれに充てたが、予想していたものとはぜんぜん違っていたという。
「介護サービスはおざなりで、熟練した介護者も少なく、不安になって退居を考えました。しかし施設側から、入居して一年を過ぎているから、いま退去すると入居一時金はかなり減額されるといわれ、どうしていいかわからず、不安な毎日を過ごしています」
この女性のようなケースは少なくないといわれる。メディアなどで取り上げられる老人ホームなどのランキングをみると、そこでチェック項目として挙げられるのは、設備やエントランスの豪華さ、駐車場や立地の利便性などだ。しかし、ここには落とし穴がある。そもそも老人ホームを選ぶのが本人ではなく、家族であるケースが少なくない。さらに本人が選ぶとしても、介護を受けた経験がないために、身体が衰えて最期を迎えるにあたり、本当に重要なサービスは何かがわからないのだ。元気なうちはエントランスも気になるが、介護されることが多くなれば、外観などどうでもいい。入居する人間にとってなによりも大切なのは、見落とされがちな介護サービスの質なのである。
では、どうすれば本当に受けたい介護サービスを受けられるか。終の棲家のつもりで入居するなら何を基準に選べばいいか。東京・大田区で「たかせクリニック」を開業する認知症サポート医の髙瀬義昌医師にうかがって作成したのが次のチェックシートである。
有料老人ホームの施設長や看護師、サービス付き高齢者住宅ならば施設長に質問することを想定している。
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source : 文藝春秋 2013年11月号