文藝春秋digitalのオンラインイベント「ウクライナ侵攻『超マニアック』戦場・戦術解説②」が、2022年10月16日に開催されました。
この日のイベントでは、東京大学専任講師の小泉悠さんと、防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄さんをお招きし、9月のハルキウ反攻から大きく状況の変化してきたウクライナ侵攻について、現在の戦局や新兵器の情報について2時間半にわたり大いに語っていただきました。
9月6日に開始されたハルキウ反攻は、多くの専門家の予想に反して、ウクライナ軍がロシア軍からハルキウ州を奪還することを成功させました。高橋さんからは「アメリカの同業者と会っても、彼らは『ウクライナに奪還を成功させる突破力はないだろう』と話していたし、自分もそう思っていた」とハルキウ奪還に驚きを示しました。小泉さんも「奇襲と速度がすべての作戦だったのだと思う」とウクライナ軍の作戦を評価。「ロシア軍の配置状況の弱いところがつぶさにわかっていないと出来ない作戦。ウクライナ軍単独ではできないはず。事実上、米軍とウクライナ軍で作った作戦だと思う」と分析しました。
この戦争の開戦当初から懸念されているロシアの核使用について、小泉さんは「ロシアが負け始めているので、開戦当初に比べて核使用のリスクは上がっているとは思う」としつつも、「しかし敵の進撃を止める目的で使うとしたら、すでに使っていてもおかしくないほどの負け方をロシアはしている。そうである以上、戦場で戦術核を使うことはリスキーであるとロシアは考えているのだろう。それでもロシアが核を使用するとしたら、停戦を強要するための人口密集地への核使用、あるいは人のいない土地で使う交渉のための核使用、そのどちらかの可能性がある」と話しました。
小泉さんの分析に高橋さんも同意しつつ「停戦や交渉目的の場合、負けている側が核を使用することには効果は薄いということは言える」と補足しました。
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source : 文藝春秋