「自戒を込めて言うと、学者というのは文章やテキストを読むだけでわかった気になりがちな人種です。しかし、日本列島の多様な地形そのものが、そこに暮らしたり滞在したりする人たちに及ぼす影響は言葉だけでは語りつくせません。その語りつくせないものを感じ取るために、研究室の外に出て、まず『現場』を歩いてみることにしたのです」
本書はこのような問題意識のもと、日本政治思想史を専門にする原武史さんが「いわゆる観光地とは異なる国内のさまざまな場所に出掛けながら、地形と思想の浅からぬ関係について考察した紀行文風のエッセイ」である。峠、島、麓、台、半島といった「地形」に注目し、その場所に潜む思想史的な文脈を読み解いていく。実際に「現地」に足を運び、そこでの体験を通して、原さんは考察を深めていった。
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source : 文藝春秋 2020年5月号