2人の母とのこと。
写真。インスタレーション。言葉。
異なるベクトルの表現行為が交わるとき、何が浮かび上がるのか。テーマは母、家族。著者は長年、母娘の関係に縛られ、苦しんできた。
本書は、2015年から1年間、2人の「母」との協働によるインスタレーション作品の制作過程から生まれた。東京に住む実母、神戸に暮らす、著者のパートナーの母。著者は古布を集め、東京と神戸それぞれの土地で「母」とともにテントやタープを縫うアイディアを思いつき、自身の個展で発表する計画を立てる。
実母との協働の日々から記される言葉は苛烈だ。すれ違い、怒り、口論、憐れみ、自己嫌悪……少女期から続く母とのひりつく関係が、無慈悲なほどあからさまに記録される。
かつて患った摂食障害について。
「母のする『母親らしい』ことが、わたしのためではなく、母の自己満足のためにおこなわれることがあるのをわたしは知っていた」
母と父の齟齬について。
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source : 文藝春秋 2023年3月号