武士の本質をえぐる論考
「『葉隠』『武士道』とは別世界! 忠義よりも領地とメンツ 源義家から伊達政宗まで中世武士ら33人の名言・暴言・失言からアナーキーな本質を描く!」と本の帯にある。思わず買ってしまった。
最初は「終章 中世武士から近世武士へ」。著者の武士論が色濃く煮詰まっている。「都の武士」論の限界は「正統な武士」は所詮“負け組”だという点であり、勝ち残って中世社会の主流となったのは「傍流ないしセミ・プロ」の武士の残虐性であった。典型は源義家であり、その残忍性は「後三年の役」でいかんなく発揮された。中世に「武士道」はなかった。主従関係は契約であった。「御恩と奉公」はセットになっており、源頼朝は御家人に所領を与え、御家人は頼朝のために戦う。つまり中世の主従関係は互いに義務を負う「双務的」関係であった。
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source : 文藝春秋 2023年3月号