世界に貢献する人材
新年特別号に掲載された藤原正彦氏の寄稿『「英語教育」が国を滅ぼす』を読みました。小学校からの英語教育、IT教育の導入に多大な異議、不安、怒りを覚える一人として、その一言一句に深く共感し、感謝の念を覚えました。
氏の主張は、グローバル人材育成に異を唱えるものであり、「一連の教育改革は、教育観に乏しい経済界が強引に推し進める愚民化政策である」ということでした。このままでは日本の教育が、新自由主義の尖兵とも言うべき経済至上主義の人間を養成するためのものになってしまう。英語教育へ傾倒すれば、英米文化に日本人の心が支配されてしまう――など、どれも痛快な指摘でした。
結論の言葉が特に心に残りました。
「教育とはむしろ、『グローバリズムが決して人間を幸福にしない』、『経済より大切なものがある』といったことを分かるだけの教養や情緒を持つ人間を育てることなのだ」
なんともスケールが大きく、これこそが環境破壊が問題となっている現代において、全地球人が目指すべきものだと思いました。英語やITを学ぶより、自然や日本文化から学ぶことを重要視したほうが、感性豊かで、これから世界に貢献できる人材を育てることに繋がるでしょう。
氏の論考が、経済界由来の愚民化政策の抑止力となることを切望します。(中嶋由美子)
円谷選手の記憶
新年特別号に掲載された、川淵三郎氏、谷田絹子氏、君原健二氏の座談会『選手村のビフテキはうまかった』で、1964年の東京五輪の記憶が語られていた。当時を思い出し、懐かしく楽しく読ませていただきました。
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source : 文藝春秋 2020年2月号