創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。
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次回が待ち遠しい
岸田文雄総理、伊藤忠の岡藤正広会長、脳科学者の中野信子氏による『日本復活への道 脳波鼎談』(5月号)を面白く読んだ。少子化と経済停滞に苛まれる日本の再生に知恵を出し合い、かつ鼎談中に中野氏が2人の脳波を測定するという奇抜な企画であった。しかし三者の発言がいずれも具体性に富み、核心をつく素晴らしい鼎談であった。
岸田氏は、まずは若い世代の所得向上を目指す一方、働く子育て世帯に子どもと接する時間がどれだけ確保できるかが鍵だと、一歩踏み込む。また、気候変動やエネルギー問題などの社会的課題は、むしろ「成長のエンジン」にして、日本の競争力アップを目指すという。
岡藤氏の考えは「少子化恐れるべからず」で、1人当たりの生産性を飛躍的に伸ばすことが肝要だという。日本の頭脳を、利が集まる「川下」に投入することが日本復活の道だと考えているようだ。
中野氏からは、両氏の発言中の脳波測定に係る興味深いコメントが随時披露される。そして、話の続きは「次回に……」とのことだった。
目先のことに右往左往しがちな昨今であるが、本質を見極めた長期的視点での解決策が待たれるところである。次回鼎談が待ち遠しい。(神奈川県 毛塚康男)
水に落ちた犬は打つ
5月号、三浦瑠麗氏の『独占告白120分「夫の逮捕で考えたこと」』から、私は、この国が「水に落ちた犬は打つ」という集団心理に毒されていることに嫌悪感と危機感を抱く。三浦氏の言説を知悉しているわけではないが、リベラリズムの立場にある彼女が、自民党の御用学者の如く称されることにそもそも違和感がある。こうしたレッテル貼りは人格攻撃の様相を呈し、議論の本質を捻じ曲げてしまう。
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source : 文藝春秋 2023年6月号