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農家の気持ちを代弁
ノンフィクション作家・奥野修司氏は、4月号『ルポ 農家が嘆く「有機栽培」の壁』で、一農業従事者である私の心情を代弁してくれた。農薬が危険ということは自明のことだが、全てを有機農法に変えるのはコスト面でも人員面でも難しく、消費者がそれ相応の価格で買ってくれなければ、農家はたちまち廃業に追い込まれる。
奥野氏は全国の農家にインタビューし、「売り物の野菜は見場が大事なので農薬を使うが、家で食べる野菜は有機にしている」という旨の証言を取ってこられたが、我が家もまた然り。うちは道の駅などにキャベツやブロッコリーを出荷しているが、都会から来られたお客様に、「青虫がついているのを子どもが見て気持ち悪がった。もうその野菜が食べられないほどトラウマになった」との意見を頂いたことがある。野菜は工場で作られる工業製品でもなんでもないんですよ、と腹の中で思った。
本当の有機野菜は味が濃く、ドレッシングなしで食べられるほど美味しい。そのことを多くの人に知ってもらい、少し割高でも安全性を優先することが世直しに貢献するということに、多くの消費者が気づいてくれればと思う。
この点に関して、私はZ世代に期待したい。SDGsの教育が浸透し、一般に利他主義を志向するとされる彼らは、その商品が無農薬・無添加かどうかや、その商品ができる過程での労働者の労働条件などに敏感だろう。(滋賀県 高田智子)
柄谷行人、恐るべし
4月号、柄谷行人さんのインタビュー記事『賞金1億円の使い途』は面白かった。賞金は社会活動の援助に使いたいという。いかにも柄谷さんらしいと思った。
『マルクスその可能性の中心』は、大学に入学した頃に買った柄谷さんの本だ。マルクスの解説書かと思って手に入れたが、夏目漱石や武田泰淳の文芸批評も入っていて、当時の私にはとても難解で読み進めることができなかった。
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source : 文藝春秋 2023年5月号