創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。
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犬飼記者の無念
6月号、『朝日襲撃「赤報隊」の正体』は25頁におよび、文藝春秋取材班の奮闘ぶりと臨場感が伝わってきます。いわゆる「赤報隊事件」とは、1987年5月3日に起きた「朝日新聞阪神支局襲撃事件」のこと。当時、私は大阪の豊中で勤務し、この事件を知りました。阪神支局は兵庫県ですが、大阪の豊中は近くに位置しています。
小尻知博、犬飼兵衛両記者が散弾銃で撃たれ小尻氏は亡くなり、犬飼氏は銃撃で右手の指2本を失いました。その後は義指で慢性的に手を震わせながらペンを持ち続けたといいますから、正に記者魂そのものです。しかし氏も2018年に73歳で亡くなり、「生き証人」はいなくなりました。
本事件は当初から襲撃犯の他に主犯格の存在が捜査の中心となっていました。その一番の黒幕的存在とされたのが、新右翼のドンとして君臨していた野村秋介です。しかし彼も1993年、朝日新聞東京本社の応接室でピストル自殺しました。記事にはその様が克明に描かれ、臨場感が伝わってきました。
赤報隊事件には延べ62万人の捜査員が動員されましたが、犯人逮捕に漕ぎ着けることはできませんでした。それでも日本の裏社会に暗躍する実態を明らかにはしたでしょうが、同僚の小尻記者を亡くし「真相を知りたい」と願った犬飼記者の無念は計り知れません。
日本が高度成長する中の恥部に改めて強い憤りを憶えて、この稿を読み終えました。(愛知県 松坂年造)
ピュシスへの回帰
6月号、松尾豊氏の『チャットGPT時代の勝者と敗者』を読み、チャットGPTに「吾輩は猫である」の感想文を書いてもらった。2度試したが、それぞれまったく異なる文章で、これなら学校の課題に用は足りるだろう。
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source : 文藝春秋 2023年7月号