米国の大統領選挙は、挑戦者であるミット・ロムニー共和党候補の退屈さも手伝って、ドラマのないフィナーレとなった。オバマ再選劇も「オバマ・ノー・ドラマ」だった。
公開討論にしても、印象深い言葉はほとんど皆無だった。
それでも2012年の米大統領選挙の「この言葉」を強いて挙げれば、共和党全国大会の模様をオバマが「何か白黒テレビを見せられたって感じじゃない?」とチクリと刺したせりふあたりか。
豊かな白人のカップルばかり、まるで1950年代の米国に後戻りしているような共和党の排他性と守旧性を「白黒テレビを見せられているって感じ」と裁断して見せたのである。
共和党は、ますます白人の政党、いや、怒れる白人の政党に自らを追いやっている。
「アメリカを奪った」のは誰か。マイノリティー(非白人少数派)である。
白人中産階級からすると、マイノリティーは、連邦政府にたかり、そこに巣くって勤勉な白人層の税金を吸い尽くすパラサイト(寄生虫)のような存在である。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2013年1月号