天皇陛下が生前退位の御気持を示されたことで、日本中に衝撃が走っているらしい。私も、全文を送ってくれた人がいたので、陛下の御言葉を読んだ。また、その後に巻き起った百花繚乱という感じの有識者たちの意見も、読んでみたのである。
その感想だが、陛下は明快に述べられているのに、受け取った側が複雑にしてしまっている、という感じ。やはりここは、整理して考える必要があるように思う。
大前提は、日本人にとって皇室が存続したほうがよいか、または否かで、私の考えならば明らかに前者。前者が多数であれば、次の問題には自然につづいてくる。
どうすれば皇室を、しかも陛下が御高齢に達した場合でも、存続させていけるかである。ところが、その規範になるべき皇室典範の改正と言っても、簡単にできることではないらしい。とはいえその作業を、万全を期すあまりに慎重に進めていては、陛下の御心労や御体調は悪化するばかり、という現実も忘れるわけにはいかない。
それで考えてみたのだが、皇室典範の改正のような作業は始めていただくとしても、同時に、すぐにも手がつけられる改正をスタートさせてはどうか、ということだ。
それは、皇族の方々全員に、各自ができる事柄と日時を列記していただき、それを基にして、可能なかぎり両陛下の御公務を減らす手段を見つけるということです。
陛下と皇后様がカップルで公務をなさるというのは、両陛下が創り出されたシステムであった。昭和天皇の時代には、カップルという印象はなかったのだから。
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source : 文藝春秋 2016年10月号